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掲載日 2008年09月07日
峠の宿場町 − かつての辺境の地も、交通便利な散策スポット。偶然発見、美味しい蕎麦屋。
静岡県静岡市駿河区宇津ノ谷 / 宇津ノ谷峠
峠の宿場町、静岡県静岡市駿河区宇津ノ谷 / 宇津ノ谷峠、静岡市駿河区宇津ノ谷峠
静岡市駿河区宇津ノ谷峠 -
「駿河なる 宇津の山辺の うつつにも 夢にも人に 会はぬなりけり」と在原業平が和歌にも詠んだ「宇津ノ谷峠」。平安時代には遥か東国の辺境の地であったことだろう。
しかし今や国道一号バイパスを通れば、静岡市の中心街からもほんの十数分、京の都からも新幹線で3時間弱で到達してしまう、郊外の散策スポット。
実家のすぐそばだけに、いつかは行こうと思いはしていたが、なかなかチャンスがなかった。今日、少しだけ時間ができたので、何の気なしに出掛けてみることにした。
峠の宿場町、静岡県静岡市駿河区宇津ノ谷 / 宇津ノ谷峠、静岡市駿河区宇津ノ谷峠
静岡市駿河区宇津ノ谷峠 -
峠の入り口となる、道の駅「宇津ノ谷峠」までは自宅から車で10分。ものすごく近い。道の駅に車を駐車して「ひょい」と横道にそれれば、そこはもう峠の宿場町。峠越えの「蔦の細道」はちょっとしたトレッキングコースになっている。
宿場の入り口には早速それなりの演出が。野菜などを軒下に干している様を再現しているのだろう、風情を「醸し出させる」飾りが出迎えてくれる。
そして道の両脇に並ぶ家々には、往時の屋号だろうか、宿屋を示すような看板が飾られていた。
峠の宿場町、静岡県静岡市駿河区宇津ノ谷 / 宇津ノ谷峠、静岡市駿河区宇津ノ谷峠
静岡市駿河区宇津ノ谷峠 -
通りからすぐの横道には縁台が置かれている。きっとご近所さんたちで日向ぼっこをしながら、井戸端会議をする一等地なのだろう。
観光地としてそれほど荒らされていない土地なので、地元の人たちはものすごく自然な暮らしをしているように感じる。
軽トラから降りていたと思ったら、道端に座り込んでタバコを一服するおじいさん、ごつい一眼デジカメで家並みを撮っている自分を珍しそうに眺めるおばさんもいる。
観光地ではない普通の村落に、場違いな観光気分で入り込んできた自分の姿が奇異に見えているのかもしれない。むしろ、そういったスレていないていない人々の生活が、 過度の観光化を抑制していると見るべきだろうか。
峠の宿場町、静岡県静岡市駿河区宇津ノ谷 / 宇津ノ谷峠、蕎麦処きしがみ
蕎麦処きしがみ -
しばらく辺りを散策していたら、少々小腹がすいてきた。今日は昼食が早めだったせいだろうか。
途中蕎麦屋の看板が目に入っていたので、看板の店を目指すことにする。通りの坂道をほぼ登りきったところに、その店を見つけた。
店の名は「蕎麦処きしがみ」。見れば県外ナンバーの車も何台か止まっている。有名店なのだろうか?
静岡は蕎麦の有名な土地ではないが、そこはかとないオーラを放っている。少々高めの値段設定ではあるが、意味のある値段か、単なる観光地価格なのか、いざ勝負!。
峠の宿場町、静岡県静岡市駿河区宇津ノ谷 / 宇津ノ谷峠、蕎麦の揚げ物
蕎麦の揚げ物  -
店内に入ると、期待はますます高まる。しっかりとした内装と清潔感。店員さんの物腰は、世辞にも洗練されているとは言いがたいが、礼を失するものではない。むしろ、心のこもった暖かさを感じさせる応対である。
一枚板の重厚な卓に案内されると、そばの揚げ物と蕎麦茶を供された。揚げ物はさくさくとした食感が心地よい。お茶するだけならこのセットで十分。でもこの店の蕎麦なら間違いはない、と私の食欲本能が語りかけてきた。
下調べをしてきたわけではないので、オススメのメニューを選ぶ。「まいたけ天せいろ」、\1350。ただのせいろでも良かったのだけれど、せっかくなので、まいたけ天を付けてしまった。
峠の宿場町、静岡県静岡市駿河区宇津ノ谷 / 宇津ノ谷峠、まいたけ天せいろのしつらえ
まいたけ天せいろのしつらえ -
ちょうどそばの揚げ物を食べ終わったタイミングで、食器がしつらえられた。筑波山に出掛けたときに訪ねた「ゐ田」のように風情重視ではないが、さっぱりとした器。 でも店の空気感とマッチしている。
峠の宿場町、静岡県静岡市駿河区宇津ノ谷 / 宇津ノ谷峠、まいたけ天
まいたけ天 -
次にまいたけ天を運んできてくれた。揚げたての衣からかぐわしい香りが立ち上っている。付け合せにはゴーヤーのてんぷら。衣越しの緑色が目に鮮やかなアクセント。
添えられた塩を一つまみ。そしてサクリと一口。歯を入れた瞬間、熱気が解き放たれ、きのこの甘い香りと肉汁が、揚げたての湯気に混じって口腔を抜ける。ハフハフという熱々てんぷらの幸せに包まれた。
ゴーヤーのてんぷらは初めての挑戦。目にも楽しいし、しし唐の替わりになるような、爽やかな苦味が新鮮だ。
峠の宿場町、静岡県静岡市駿河区宇津ノ谷 / 宇津ノ谷峠、品の良い更科蕎麦
品の良い更科蕎麦 -
てのぷらのファーストインプレッションを楽しんでいるところへ、真打のせいろが出される。この店はタイミングが良い。昼時を外したせいだろうか。
見るからに品の良い更科の白い肌。まずは何もつけずに蕎麦だけをつるりと。先ほどのてんぷらの油は、ゴーヤーの苦味で清められている。切り口に主張があるように、しっかりと切りそろえられた一本。ふんわりと蕎麦の香りが広がる。
しっかりした蕎麦だなぁ、という印象。田舎蕎麦や藪蕎麦は強い香をうまみとして感じるけれど、更科の清純な風味を語るほど蕎麦のことを分かっていない自分が残念でならない。
峠の宿場町、静岡県静岡市駿河区宇津ノ谷 / 宇津ノ谷峠、宿場最後の?坂道
宿場最後の?坂道 -
いやはや、飛び込みで入ったにしては良い店とめぐり合うことができた。
お腹も落ち着き、蕎麦茶をもう一杯飲み干して、「きしがみ」さんを出る。
店員さんも厨房のご主人(?)も歯切れ良い挨拶で見送ってくれた。店頭に下げられた「今日の粉は信州安曇野」との看板を背にして、最後の坂道を登る。
でも、宿場の町並みはこれでおしまいらしい。坂道の上から甍を見下ろすと、延々と続く街道筋、ではなく、真下のお宅の洗濯物が眼下に広がっていた(汗)。
峠の宿場町、静岡県静岡市駿河区宇津ノ谷 / 宇津ノ谷峠、蕎麦の香りで宿場町の峠を下る
蕎麦の香りで宿場町の峠を下る -
今登ってきた道をてくてくと。残暑厳しい9月初旬、宇津ノ谷峠を後にして、国道1号線バイパスを高速巡航して、家路に着いた。
訪ねた店:蕎麦処きしがみ