Sweet Heaven Photograph & Words.
主力単焦点レンズ習作
2017.03.05
EF85mm F1.8 USM
2017.03.05 / 旧青梅街道 / Canon EOS 5Ds / EF85mm F1.8 USM
85mmは代表的なポートレートレンズとされている。85mmという焦点距離は、人が対象物をしっかりと見つめたときの視野に近いと言われている。また望遠効果の具合がよく、画角に起因する被写体の変形が少ない。そして大口径のF値を確保しやすい焦点域でもあるため、ボケを生かした作画がしやすい。よって、人物を近距離で撮影すると見た目の上で自然に見えるうえ、ボケを生かして主要被写体を浮き立たせる高kを得やすいため、ポートレート向きのレンズとされている。この特性は建物などを変形を抑えて撮影することもできるし、人物に限らず風景の中にある被写体を浮き立たせることができる。
2017.03.05 / 多摩湖畔狭山界隈 / Canon EOS 5Ds / EF85mm F1.8 USM
このレンズは1992年の発売後、長らくCanonの代表的なAFレンズとされてきた。その後発売されたCanonやレンズメーカーの上位製品には一歩及ばぬところがあるが、その描写力はフィルム時代を越えて、デジタル5000万画素時代でも十分な性能を発揮してくれる。85mmレンズの評では、絞り開放の描写ばかりが強調されているが、このレンズもある程度絞り込んだ状況での表現力は、何十万円もするトップクラスの製品にそん色はないものだと思う。
2017.03.05 / 玉川上水緑道小平界隈 / Canon EOS 5Ds / EF85mm F1.8 USM
そしてこのレンズは、ある条件下ではとても透明感のある光を紡いでくれる。特に雨上がりなど、光を細かく反射するものがたくさんあるような状況では、ボケとなるすべての反射を、瑞々しく透明感のある色で写し出す。もちろん、キラキラとしているばかりではなく、画面中央も隅も十分なシャープネスを約束してくれる。間近の被写体を取るならばF4〜F5.6あたりがボケも解像も一番良いような気がする。とはいえ、時々、開放撮影のユウワクに負けることもある。そしてそんなときは、EF85mm f1.2L II USMがほしくなる時でもある。
EF50mm F1.2L USM
2017.03.05 / 玉川上水緑道拝島界隈 / Canon EOS 5Ds / EF50mm F1.2 L USM
50mmといえば、その昔は標準レンズと呼ばれ、35mm一眼レフを買うとまず最初に付いてくるものだった。その後、AF時代には標準レンズは標準ズームに変わり、35-70mmや28-70mmといった広角〜中望遠のズームレンズが多数登場した。デジタル時代になるとAPSサイズのデジカメが普及し、17〜55mm、35mm(フルサイズ)換算で28〜90mmくらいが標準ズームの焦点域になった。ズームがあれば50mmなんて不要、と思ったこともあったけれど、なぜか時々この焦点距離が懐かしくなることがある。そしていつの間にか、何かあったら50mmといった感覚が身に付いていた。
2017.03.05 / 野火止用水緑道旧青梅橋界隈 / Canon EOS 5Ds / EF50mm F1.2 L USM
天気が良い日の散歩に、このレンズをつけて出かけた。寒い日の澄み渡った空をアンダー気味に写す。このような日の空の青はアンダーで撮影すると、とても深い色が出る。ことにこのレンズは色を濃厚に描き出してくれるような気がする。まるでPLフィルターを使ったかのような深い青になった。そして煙突の白も強く出ている。それでいて煙の白は背景の青に滲むことなく、白としてのグラデーションで描かれている。こんな色で写真が撮れればとても気持ちが良い。
2017.03.05 / 玉川上水緑道玉川上水駅界隈 / Canon EOS 5Ds / EF50mm F1.2 L USM
水平方向にいくつもの構造が重なり、それぞれが異なる明度になる条件での撮影。画面左下のサギと、それと点対称位置の人物をポイントに据えた。現像パラメータをかなり軟調(低コントラスト)にして、明部から暗部まで階調を再現した。広い階調を描き出せるのはカメラ側の性能かもしれないけれど、それに応えるだけのポテンシャルを備えたレンズだ。
このレンズはシャープネスよりも、表現力を優先したレンズである。「無断立入禁止」のようにオーバー気味の絵では柔らかく表現するが、一方この写真のようにアンダー側に振れた絵では、コクのある味わいのようなものを醸し出す。もちろん、味わいだけではなく、コンクリートエッジを際立たせる十分なシャープネスも持っている。
EF35mm F1.4L II USM
2017.03.05 / 小金井公園江戸東京たてもの園 / Canon EOS 5Ds / EF35mm F1.4 L II USM
おそらく2017年時点では、Canonのデジカメ用EFレンズの中では、このレンズが最も高性能のレンズではないだろうか。先鋭さと表現力、そして深い色合いを持ったレンズである。旧型の35mm F1.4は長さが86mm、重さが580gだったのに対して、本II型は長さが105.5mm、重さが760gと極端に大型化している。光学系の設計を一新したためだろう。他社の同世代の同型機と類似した形状なので、はやりの構造なのかもしれない。また他のレンズにない新しい技術も取り入れているとのこと。その発色を最初に見たときは、鮮やかさと深さに本当に驚いた。また等倍に拡大したときのシャープネスは驚嘆する。シャープネスだけを実現したレンズは他にもあるかもしれない。しかし表現力全てのバランスが大変すばらしいと感じさせてくれる1本だ。
2017.03.05 / 小金井公園江戸東京たてもの園 / Canon EOS 5Ds / EF35mm F1.4 L II USM
暗い室内での撮影。手前のポスターの表面を覆う朽ちかけた色が、流れ去った時間を感じさせる。わずかな色の差や、まろやかにシャドーに落ち込んでゆくグラデーションの表現力が、蓄積されたその時間の1分1秒を表しているようだ。またハイライト側も滑らかに立ち上がってゆき、障子戸の向こう側に流れているであろう、今現在の時間を自然と感じさせてくれるようだ。高画素機との組み合わせで、正対する被写体を写すと、そのすべてを取り込んだのではないかと錯覚させてくれるレンズである。
2017.03.05 / 小金井公園江戸東京たてもの園 / Canon EOS 5Ds / EF35mm F1.4 L II USM
明るく淡い、そして華やかなシチュエーションでも、高い表現力を感じる。階調の豊富さはハイキーでも同じで、その上、色彩の再現性は優れている。むしろ再現というより、このレンズ自身が意図して、本物よりも鮮やかに作画して表現しているのではないか、と思えることもある。開放F1.4のレンズを少し絞り、F1.6で撮影している。準広角の35mmとはいえ、開いた絞りで接写すれば前後不覚になるほど対象をぼかしてくれる。そのボケ味は大変自然でなだらかで、まるで絵にした被写体が空間に溶けてゆくようだ。
EF24mm F1.4L II USM
2017.03.05 / 空堀川中流域(東大和市高木) / Canon EOS 5Ds / EF24mm F1.4 L II USM
このEF24mm F1.4は、正直なところ、主力単焦点レンズの中でもっとも出番が少ない。24mmの画角は大変好きなのだが、24oはいかんせん視角が広すぎて、色々なものを写し込み過ぎてしまう。だから他のレンズとセットで持ち歩くのだが、そうするとどうしても荷物が増えてしまう。それならば、ズーム1本で・・・となり、出番を失うことが多い。しかしL単焦点レンズの力か、ここぞというときに、ハッとするような絵を結んでくれる。この作例では、青空に浮かぶカーブミラーに太陽を反射させている。空の色の深さと、天空へ抜けてゆくにつれて濃くなるグラデーション、画面中心で鮮やかに黄色く浮かぶ被写体。その中の風景は、鏡に反射したうえに反射光と混在して、低コントラストになってしまっているはずなのだが、しっかりと濃い薄いを描き分けてくれている。それが写真としてどういう意味を持つか疑問ではあるのだが、マニアックな描写の快感のために不便を承知で持ち歩いている。
2017.03.05 / 空堀川源流域(武蔵村山市本町) / Canon EOS 5Ds / EF24mm F1.4 L II USM
このレンズ撮影した森は、枝葉の1本1枚に至るまで緻密に描写されている。Lを冠したズームの24mmで撮影した絵も、色合いやコントラストは素晴らしいのだが、細部を見ると描写が細かいところで崩壊してしまっているように見える。隅のほうでは色収差が出ていたり、焦点が甘くなっていたりで、細部がものとしての形を失ってしまっていることがある。しかしこのレンズでは、本当に小さな枝葉までもがしっかりと枝葉に見える形で像になっているのだ。今後カメラがさらに高画素化するにつれて、こういった差が目立つようになってくるのだろう。
2017.03.05 / 空堀川源流域(武蔵村山市本町) / Canon EOS 5Ds / EF24mm F1.4 L II USM
広角レンズで寄って、対象を大きく映しつつ、周りの存在をも同時に写し込む手法が好きだ。そして大口径で周りをぼかして対象だけを浮き立たせるのがもっと好きだ。24oでもF4以上ならたっぷりとぼけてくれる。しかし多少絞り込んで画質を上げたいとか、もっと盛大にぼかしたい、となると大口径レンズの出番である。これは開放(F1.4)で撮影した作例である。むしろボケると、広角で撮影した感が薄れてしまい、望遠で撮れば・・・となりがちである。しかし広角だからこそ、主体を引き立たせつつ背景を広く撮り込んで、その場の状況を画面に固定することができると考えている。
【補足】EF135mm F2.0L USMは近々掲載します・・・したいと思っています・・・できればよいなぁ。いや、掲載しなければ!